シンプルだからこそ難しい?!ヤシの木モチーフのネイル
「ヤシの木」といえば夏の定番モチーフですね。
曲線のみで描ける「ヤシの木」はとても簡単なのでご自分で描かれる方も多く、長い間商品化しなかったのですが、意外にもご要望がとても多くて、夏の新作としてリリースしました。
簡単でシンプルなだけに、案外ごまかしがきかないモチーフでもあるのかもしれません。
私がネイルスクールで講師をしていた時のカリキュラムでも、「ヤシの木」はペイントレッスンの課題のひとつでした。絵具で背景のグラデーションを作ったり、筆で細い線を描いてバランスを考えたりと、基本の詰まったモチーフではありますね。
そこで今回は、「ヤシの木」の描き方のコツをお教えしますね。
ヤシの木を上手に描くコツは筆使いにあり!
「ヤシの木」に限らず、細い線で描いたモチーフは、ちょっと描き加えるだけで繊細な印象に仕上がりますし、全体の印象も締まりますから、描けるととても便利です。
「ヤシの木」をご自分で描きたいけど上手く描けないという人に、繊細に描くコツをご紹介します。
幹も葉の軸も、葉っぱも全て曲線で表現できる「ヤシの木」には、きれいに仕上げるポイントがあるんです。
爪に接する面が少ないほど細い線になりますから、筆は先端だけを使いましょう。
“ヤシの木”の描き方とコツ
まずは幹となる部分を下から上に向かって描き、線の終点から葉の軸となる部分を5本ほど放射するように描きます。
さらに軸から上下に向かって生えている葉っぱを描いていくわけですが、それぞれの曲線の先がすっと抜けるように筆を払います。
この「すっと抜ける感じ」が大切で、先端がぼつっと止まってしまうと、全体的にきれいに仕上がりません。
手前に抜いてくる時は人差し指で筆を押してもってくる感じ、向こうに抜きたい時は中指で跳ね上げるようなイメージで描くと上手くいくと思いますよ。
先にいくほど細くなる曲線は、たくさん描き入れても線が潰れて汚くなることがなく、繊細にきれいに仕上がります。
新作のパームツリーは単色でスタイリッシュに♪
Re-cue新作ネイルシールの「パームツリー」では、ブラック、ホワイト、ローアンバーで3色の「ヤシの木」を描きました。あえて単色で描くことで、絵というより、ロゴや記号のような効果が出て、スタイリッシュなモチーフになります。
もちろん幹をブラウン、葉を緑で描くのも素敵なのですが、単色にすることで主張し過ぎず、アレンジの幅が広がります。
パステルカラーでもシックな色味でも合わやすいですし、たくさん使ってプリント柄っぽくしても素敵です。
昼間や夕暮れのイメージをカラージェルなどでグラデーションにして背景で遊んだり、ヴィヴィッドな「ハイビスカス」を手前に配置して「ヤシの木」を背景の引き立て役にしてもいいですね。
合わせる色味やモチーフでタウンユースにもリゾートっぽくにもなるので、夏の強い味方になってくれると思います。
シャープな線はアートをグッと引き締める
以前のコラムでも書いたので詳しくは触れませんが、デザインとして描く文字は、ネイルアートの主役にも脇役にもなります。
「単色で描いたライン」という潔さが、アートを引き締める効果にもなっている「ヤシの木」と「文字」は、ちょっと似ているかもしれません。
“BEACH”や“ALOHA”など、夏を連想させる文字も、今回は同じシートに加えました。夏を表すシンボルやロゴ、記号といった意味でも両者は共通していますね。
ジェルアートや色々なモチーフにラインを加えるだけで、印象が変わったり意味が与えられたりするのは面白いですよね。
「夏♪」なメッセージを含んだ記号的なデザインを使って、思い切り楽しんでアレンジしていただけたらと思います。
夏はわたしの一番大好きな季節なので、そのウキウキとした気持ちがネイルを通じて伝わっていたら、すごく嬉しいです。
ネイルアーティスト/松本壽美代(Re-cue)
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