芸術とは盗むことだ/パブロ・ピカソに見るネイルの自己学習



ネイル業界最大のイベントが真近にせまるこの時期。ご参加のネイリスト様もきっと多くいらっしゃるのではないでしょうか。そんなタイムリーな今回のコラムでは是非知っておいてほしいネイルデザインにおける自己学習の際の心得をお話しします。今や多くのネイル情報や的確なエデュケーションをコンビニエントに収集出来る時代。自身のセミナー活動を通して見ても、皆様学びにいらっしゃることに、本当に一生懸命で大変感銘を受けるばかりです。しかし、多くのネイルデザインが溢れる中、受けた学習や引用したソース(情報源)をただコピーしていたのでは所詮贋作(ニセタモノ)にしかなりません。アーティスティックに作用させるには影響を料理をして自分の味付けをし、自分のプレート(料理)に仕上げなければなりません。学びからいかにトランスフォームさせるかが芸術家の分かれ目なのです。教わる事は有効です。が、そこに自分流のスパイスを利かせることが得た学びを更にグレードUPさせる秘訣です。





一人の作家をコピーするは盗作、何人もの作家をコピーするは研究



モデルケースを立てるのはアーティストへの近道の1つとして効果的。いいと思ったものをコピーしてみる。但しここで言うコピーとは’盗作’ではありません。リバースエンジニアリング、つまり分解して仕組みを調べることを指します。スタイルや個性は培って伸ばすものだから。人間は自分の愛する物によって形作られているといいます。まずは大好きなもの・刺激を受けるもの・夢中になれるもの・憧れるものを探しましょう。そこから影響を受けましょう。そしてそれらはできる限り多くの物・人物からもたらされるべきです。たった1人の影響の結果がもたらすのは第二の○○。100人からの結果はオリジナル。といった具合でしょうか。前回コラムでも書きましたが、できるだけ様々な分野から収集することが大切です。何よりたった1人からの影響ではジャッジメントの基準値がゼロになってしまいます。だって、0にして100の世界観だから。自己学習においてこれが一番良くないことだと思います。見る目と感性を養い、正しい軌道を保つに基準値というライブラを設定しておきましょう。





影響を受けた人や作品の世界観を自分に取込みネイルデザインせよ



私の発信する作品においても上手なコピーをしてほしいと願っています。(むしろ優れたコピーをしろ!と。)それは、スタイルの奥にある'考え方'を盗めということです。もし、誰かを自分の目標をするならば、そのスタイルをコピーする理由はたった1つ。感性の内側を覗きこめるかもしれないから。作品の上っ面だけを真似ていたらどんなに上手くても永遠に贋作者の粋をでないままです。「技術は盗んで学べ」とはよくいう話。自己学習が自己責任で在る限り心得ていたいですよね。最後に私の愛する1行をご紹介。「未熟な詩人は真似るが、熟練した詩人は盗む。無能な詩人は盗んだものを壊すが、有能な詩人はより優れたもの、少なくとも違うものへと変える。/T.S. エリオット(イギリスの詩人)」このスピリットを胸に様々なシーンでお役立て下さい。

mayu (M.D.A NAiL)





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