サロン経営者だから言えるネイル業界が淘汰されないために
今やネイルサロンは街のどこでも見かけることが出来るほど増えました。時代の常で「変化ができない物は淘汰されていく」
ジェルが流行し、ネイルが一つの職業として知名度は上がりました。しかし未だにに女性全体に対し2割程度と小さな位置づけ。この小さなパイを多くの人が奪い合うという状況になっています。2割のパイに対しての差別化・・・店販・・・特殊なアート・・・。
①残りの女性8割を取りこむこと
②男性をお客さまとして掘り起こすこと
業界全体でサロンが成り立つ仕組みを考える時期に来ているように感じます。他の美容関係の多くは、そこの掘起しに動きだしています。ネイルをやらない理由として挙げられるのは、ネイルサロンに行く=派手なアートをしなければ!のような風潮があり、興味はあるけれどサロンには行けない。だから自分でマニキュア塗るといった人が多く、「ネイル」が身近なようで身近になっていない現状。
ネイルサロンをより活用してもらうにはシンプル(日常使い)を規準できるサロンが増えて、作業時間を短縮することができ、例えば海外のマニキュアリスト達のように気軽に行くことが出来ればもっと身近な存在になるでしょう。
自店のネイルサロンをどうしたいか、その差別化&共存とは?
シンプル低価格のお店が出来ると全てのお客様が、そこへ流れるように感じるサロンも多いと思いますが本当にそうでしょうか?今のネイルサロンに多いデザインにこだわりのあるお客様が、シンプルだけのサロンに流れるとは思いません。逆にネイルをしたことの無い層を掘起し、ネイルに興味を持った人たちは最初はシンプルでも慣れてくると、もう少しデザイン性の高いネイルへ変えたくなり、お客様は対応できるサロンを探し流れてきます。ターゲットをどこに絞るかで差別化が生まれリピートに繋がります。
自分のサロンはどうなりたいか?を深く考えイメージしていくことが出来れば、そのお客様に向けて的確にアプローチできます。全てを自分のサロンで対応しようとすると逆に独自性が無くなり誰にも響かないサロンになります。「シンプル=差別化」サロン同士の共存が業界全体を底上げし安定へつながります。
サロンを安定経営化するためにはネイル業界全体の仕組作りを!
セルフネイルとプロのネイリスト「美容」という括りの中から「ネイル」が飛び出し産業として認められてきました。しかし、サロン(ネイリスト)が職業として活躍できる環境は、年々厳しくなってきています。特殊な技能(高度な技術、デザイン、メーカーとのコラボなど)を持つネイリストは個人でのブランディングやマーケティングが出来ているため、結果、華やかなイメージが先行しますがこのポジションは、ごく一部です。自分だけの努力で形になるのでもなく、そこでの差別化は難しいでしょう。
セルフとプロとの違いの差別化できる環境作りがポイントになると考えます。プロとして最低限のルールを業界全体で統一していくことが、ネイリストの就業環境の安定に繋がるのではないでしょうか。人に施術する、サロンで働けるのは最低でもネイリスト検定2級やジェル検定中級を所持すること。他は、全てセルフネイル=一般(自己責任)とする。国家資格ではないので検定資格がなくても仕事ができる環境。
国家資格ではないので検定資格がなくても仕事ができる環境検定が意味の無いものと唱える一部の美容関係者の話も良く聞きますが、それは自己投資をして資格を取り、技術以外に衛生管理・材料学・栄養学などの知識を身につけている技術者より、最低限のサロン技術を身に付けただけで、資格も無いために他で働きにくい、サロンから抜けられない技術者環境を作り上げることにつながるのではないでしょうか。本当にスタッフやお客様の事を考えるのであれば経営者として考えて欲しいものです。
プロ商材を購入できるのは検定取得者のみに限定し、価格の安定を図るのも重要で現在一般もプロ価格で購入できるサイトも乱立しており歯止めが効かないのも現状です。サロンが人を雇用し経営が成り立つ環境を、ネイル業界全体で作り上げられることが出来ればネイリストは夢のある良い仕事ですよ、と自信をもって言えるのではないでしょうか。
井原千佳(PureNail&Ondine)
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