ネイルデザインはどうやって生まれる?
ネイルアーティストになってから、日々たくさんのネイルアートを生み出し続けています。サロンワーク、ネイルコラム執筆と作品制作、ネイル雑誌の作品制作…毎月、新作を8点ほど考えて、発表するのが常となっています。このペースで旬を一足先に嗅ぎ取り、ネイルアートに反映させていくこと。それは時に苦しく(笑)、エッヂで最高に楽しい瞬間です。今回はこのエキサイティングな時間、私なりのネイルデザインの生み出し方をご紹介いたします。
ファッションからヒントを得た“キーワード”がポイント
最旬として提案するネイルアートは「お絵描き」とは少々違います。好きなものを描いていればいいのではなく、それが季節のファッションとリンクして、美しく輝くかということが重要です(もちろん顧客様に好まれ、オーダーされるかということも…)。
それにはまず、これから流行するファッションのお勉強です。私はファッションショーを見に行くのも、雑誌を読むのも大大大好き! 暇さえあればVOGUEを片手に、ショップを彩るであろう服たちにときめいています。
この時に重要なのが、キーワードを見つけること。例えば2016年の春は、去年のボヘミアンの流れを汲んで「レースや透け感」が引き続き人気、デザインは「もっとロマンチック」に。ラインやテキスタイルは「レトロ感」あふれるもの。ここから私は、春の大テーマは「レトロ ロマンチック」にしました。
そしてこの中に、小テーマを3つ設けます。ショーや雑誌で気になった、異なる顔を小テーマに選びましょう。「ロマンチックガーデン、クラシカル・フリージア、ラブリートーテム」。細かなテーマがつくだけで、デザインはぐっと考えやすくなるのです。
2016初夏にオススメのネイルデザインは?
ではこの初夏のキーワードはどうでしょう。春からの「レース、透け感」の表現がより大胆になり、「ランジェリーの要素」が光ります。スーツの中に「見せブラ」をしたり、「セクシーと強さの共存」を感じます。これらのキーワードから、初夏の大テーマは「ランジェリースタイル」に決定です。小テーマ3つは「シルクサテンフラワーズ、レディ・ダンディ、マシュマロゥ ロリータ」としました。同テーマでも、はっきり異なる小テーマをつけることで、デザインバリエーションを増やせます。
ここからネイル「デザイン」に入りますが、どうしてもオリジナルで考えられない…時には、素敵だなと感じたデザインを再現することから始めましょう。お気に入りのテキスタイル、憧れのネイルアーティストの作品、などなど。ただしこれは、初心者への助言です。ネイルアーティスト、と名乗るのであれば、イメージからデザインに発展できなくてはいけません。この訓練は美術館やショー観覧など、生の体験からしかできないのです。
まれにアパレルブランドの「テキスタイルそのまま」ネイル、ブランドロゴネイル、キャラクターネイルなどを目にします。個人で楽しむのは問題ありませんが、発表する作品においては、好ましくありません。すべてのデザインは作品であり、勝手に侵していいものではないのです。最悪の場合は、著作権侵害としてみなされるリスクもあります。お互いに、気をつけましょう!
目指すのはアート×デイリーの融合!
最後に、せっかく作ったネイルチップたちは、毎月のおすすめネイルアートとして、サロン内で展示するのはいかがでしょう。大テーマ、小テーマ、作品ごとのキャッチコピーがあると、顧客様にイメージが伝わりやすくなりますよ。同時にアート代についても明記すると、サロンでは大変使いやすいです。
私達ネイルアーティストが目指すところは、アートとデイリーの融合地点ですよね!まさに、ファッションで言うところの、オートクチュールとプレタポルテと同じなのではないでしょうか。