接客業の基本!美容師の仕事を通じて光輝く存在になるには?
前回のコラムでは、『愛されるより愛する人になろう』そして『愛を放射できる光の存在になろう』という話をしました。愛されることをTake とするなら愛することはGive と言えます。これからは、もらったから返すTake&Give ではなく、あげたから見返りを求めるGive&Take でもなく、与え続けるGive&Give の世界観を身に付けたいものです。
人は生まれてから年を重ねるごとに成長していきますが、人間的に成長するというのはこのGive&Give の価値観を育てることに他なりません。生まれたての赤ちゃんの頃、人は無力です。周りの人に支えられ、与えてもらわないと生きてはいけません。つまりTake&Take の時代です。それから小学生になり、中高生になり、大人になっていきます。
大人になり、社会人になるということは、社会の役に立つということです。Take していた自分が成長してだんだんGive できるようになるのです。そうしてTake の割合よりGive の割合を増やしていくのが人として生きる道ではないでしょうか。偉人と言われる人は、このGive&Give の考え方で世のため人のために尽力した人だと思います。
美容師の持つべき意思「人の魅力は与えることによって生まれる」
私の好きな言葉に『魅は与によって生じ、求によって滅す』というフレーズがあります。これは人の魅力は人に与えることによって生まれ、求めることによってなくなるというものです。まさにGive&Giveの世界観を表したものだと思います。しかし、人に何かを与えようと思うと、まず人に与えられる自分を作らなくてはなりません。つまり自分磨きをして、自分を成長させなくてはGiveできません。言い換えると、私たちが学校や社会で学ぶ目的は、自分のためではなく最終的には世の中のお役に立つためだと思います。私たちは自分と関わる人を幸せにするために、自分を高め、世の中に愛を放射できる人間になるために生きているのです。
ところで愛には3つの愛の段階があります。愛着→愛情→愛です。
愛着とは、いい意味でとると一見聞こえがいいですが、実際は愛とは程遠い『執着』のことを言います。愛着は大きければ大きいほど、叶わない時に辛く苦しいのもになります。
誰もが経験したことのあるこの気持ちは真の愛とは言えず、愛着のカテゴリーです。ストーカーのような偏った愛もこの愛着の段階です。
「美」を職業とする人へ!自分の周りの全てに関心を持ち愛を学ぶ
愛情とは、自分中心の愛のことを言います。情とは、心が青いと書くように、まさに幼い愛です。『あなたが愛してくれるなら、私も愛します』という条件付の『求める愛』です。それと比べ『愛』とは、見返りを求めない光のようなものです。純粋に尊く、美しい心の表れです。つまり、愛と愛着は正反対です。執着と解放、引力と放射、TakeとGive。同じ人を好きになるのなら、愛着や愛情ではなく、愛のレベルで人を愛したいものです。そして、人から愛されなければ自分に価値がないと思うのは、愛着人間です。そうではなく、たとえ人から愛されなくても自分から愛を放てることがほんとうの幸せなんだと気付ければ、最高の人生になると思います。(もちろんこの愛は人に対してだけではなく、動物や自然に対してもです)これが真の自信と自己愛であり、私達が目指すべき愛の境地です。
このコラムでは3回に渡って『愛』について執筆させて頂きました。
最後にこの言葉で締めくくりたいと思います。
『愛の反対は、無関心』というマザーテレサの言葉です。つまり自分の周りの全てに関心を持ち、意識を注ぐこと。それが愛のはじまりです。見返りを求めず、心配りができることは、接客業の基本です。私達は仕事を通じて、愛を学び、自分自身が光のように愛を放射できる人間になりたいものです。「自分と関わる周りの人を幸せにする」を人生のテーマにし、愛の人間になりたいですね!
木村博次(La Bless)