クリープパーマって何?そのメカニズムとクリープパーマの秘訣
パーマをかけるという事はパーマ液の還元1剤で毛髪の中の蛋白質の結合が切れて、すでにロッドなどで曲げた髪が、次に酸化2剤でウェーブ固定させて仕上がります。まさにこれがパーマの単純な今までの肯定です。クリープパーマとは、この1剤操作の還元を取り除く事と2剤酸化定着前に少しの時間を、スチーミング加熱や乾燥加熱で固定前の「応力緩和」を促進させます。少しの時間を1剤還元水洗剤削除後に時間を置き、すぐに2剤酸化処理をしません。その応力緩和すなわち「ストレスリラクゼーション」の時間を置くことで、パーマがしっかりとかかるようになりました。
クリープによってパーマ処置時間の短縮が可能に
パーマ液1剤のアルカリ還元剤の還元放置時間を少なく、髪をなるべく痛めないように、いままで15分でかかる1剤の還元プロセスを10分間として5分の短縮でも同等にかかるパーマが可能になりました。パーマ1剤の接触時間が短く、しかもしっかりとかかるのがクリープパーマです。
☆クリープパーマの中間水洗・冷却
☆キーワード:熱可塑変性(変化)・応力緩和・低温硬化
☆熱可塑変化→応力緩和→低温硬化
クリープパーマは中間水洗で髪は100%濡れるわけですが、すすぎによって毛髪内のアルカリは抜けて、代わりにさらに水分が大量に入る。髪はそもそも、相対湿度80%以上から100%の方向に、急激に強度が下がり可塑性が急上昇する。90%~100%の水分量との熱可塑変性による熱を加えると変形しやすくなり、一定の時間内に曲げの為のひずみが緩やかに30分かけて「応力緩和」が起きる現象をクリープと言います。
スタンダードなクリープパーマの工程
一時的な曲げ変形は水分を抜く事で可能ですが、永続的な変形にはSS 結合を切る還元剤と、二番目に結合力の強い塩結合をアルカリで切っておかないと応力緩和が起きにくくなります。ある程度のアルカリを含む還元剤を使用してクリープパーマを行うことが大事であって、その中間水洗でアルカリ分が水と入れ替わりより膨化が進み曲げに対しての応力緩和が起きる。アルカリを使った薬剤での膨潤後の水洗で入れ替わって入る水と、その髪に約3分以上の蒸気や熱を加えることで応力緩和の移動がすばやく終わります。曲がり形状の固定力を増す為に熱可塑の真逆の低温硬化に常温水を使い、髪を冷やしクリープの安定性を高める事ができます。従来の「クリープ期応用パーマ」の「応力緩和」に30分かかっていたのをスチーミングを与え熱可塑変化を高め、ずらし変形安定を半分の15分に縮ませることができました。さらに冷やしで安定感を高め二液酸化工程に移る。これが、新しいクリープパーマの工程のスタンダードなやり方です。
田中雅巳/MAGO(Hair&Make COLLECTION)