シンプルもゴージャス系も、ネイルはバランス力が大切!
ネイルのデザインを作る時に私が一番重視している事、それがバランスです。まず、全てにちょうど良いバランスがあるという事。
シンプルなデザインにはその中でのバランスがあり、超絶派手なネイルの中にもその中で収まりのいいバランスがあります。
そのどちらが良いかというのはお客様一人ひとりの好みとのバランス。どちらも間違いではないということが大前提です。
人はよく自分がシックリこないものをダサいと感じがちですが、それは好みの問題でもあり、頭から否定する必要はないと思います。だから私は、比較的幅広いジャンルのアートを作る事を心がけています。
1本1本の爪、10本の手で取るバランスの法則とは
アートの中でのバランスには、色味やデザインの方向性、量感など考えるべき要素はいくつもあります。これらを決める時の極意を、ネイルスクール生に教える時にいつも言う事があります。
「洗濯物を干す時に、片方ばっかりに吊るしたら傾いてしょうがないでしょう!大体1カ所目を吊るしたら、おのずと次に吊るしたい位置は決まるでしょう!」
とか、
「いかだに何人かで乗ったら、大体バランスよく乗らないとひっくり返って溺れるでしょう!」
とか。
ここに赤があるから、次はここに赤を入れたらちょうど良いという暗黙のルールがあるのです。
自然の摂理の逆らわず、スムーズにデザインを考える
それと同じように、立体感のある物のバランスも、いかだがひっくり返らないイメージで乗せていきます。それからデザインのジャンルの方向性と、アートの流れの方向性のバランスも考えます。
極端に言えば、全体的にエスニックな路線でアートを構成している中に、突然秋葉系のアニメのアートは入らないわけです。それくらい違えば誰もが違和感を感じるかもしれませんが、例えばエスニックとアフリカンのように近しいデザインだとごちゃ混ぜにしてしまう方も少なくありません。そこらへんはある程度経験からジャンルを区別出来るようになります。
そしてアートの流れの方向性とは、自然の摂理に逆らわず、川の流れに乗るように描いていくとしっくりくるもので、力のベクトルの法則を理解すると意外とスムーズにいくものです。
私は大学時代、理学部物理学科を専攻していた事もあり、昔取った杵柄でアートを力学的に組み立てる癖があるのかもしれません。
ネイルの中のバランスだけでなく、洋服のコーディネートとのバランスも大事。爪だけ浮いてしまってはお洒落度に欠けてしまいます。
デニムのパンツに白いTシャツというシンプルなコーデに、ピンクのパンプスとピンクのネイル、ゴールドのピアスにゴールドのクラッチバック。リップもピンクならもっと素敵。
どうですか?いかだがひっくり返らなさそうでしょう?
バランス力を鍛えると、色んな事がシックリくるようになるのかもしれませんね。
小杉美里(JamboNails)