ネイルサロンのオーダーは大胆に!限定デザイン発祥のヒントかも



数年前、サロンワークの中で生まれた“ブローチネイル”。枠の中に好きなモチーフを詰め込んでオリジナルのアートを作るデザインです。いまではシンプルな枠が専用のパーツとして商品化され多くの人に知ってもらえるようになりました。きっかけはサロンでのお客様とのやりとり。小さなネイルサロンから生まれたひとつのアートが全国のネイリストを通じて、その先のお客様に喜んでもらえるようになった(嬉!!)経緯を、今日はお話ししようと思います。それはお客様からの突然のオーダー・・・。ネイリストなら経験があると思いますが、お客様からのいわゆる“持ち込みアート”。こちらでご用意しているものではないので時にして驚くような(笑)アートに出会えます。特に私のサロンでは出来上がったネイルのデザインではなく「このワンピースのような雰囲気」「このコーデに合う感じ」などと抽象的なオーダーも多く、お客様が1番求めているものは何なのか瞬時に見極める事が求められます。私の信念でお客様には必ず満足してお帰りいただく!というのが第一ですので、どんなオーダーであっても簡単にお断りはせず、ご希望に沿えるよう最大限の努力をします。自分の中の引出しを広げていくチャンスでもありますね。そのお客様は数日後に控えたイベントのために特別なネイルをご希望。自身で手に入れたというネイル用ではないステッカーを爪につけてほしいと持参されたのでした。



 



人と被らないオンリーワンなネイルデザインはこうして出来た!



ネイル用のステッカーだったらサイズの調整も必要なくそのまま貼り仕上げることができます。しかしそのステッカーは大きすぎるので必要な部分だけ切り抜いて使う必要があり、素材的にもそのまま貼るとリフトの恐れのあるものでした。お客様はネイルに使いたいと、わざわざ手に入れ持参されたものでしたので、ステッカーを使わずペイント仕上げにするという選択肢はなく、なんとかして使おうと考えました。まず素材。厚めのシール紙に印刷され薄いビニールの被膜に覆われたそのステッカーは そのままジェルネイルで挟み込もうにも難しい素材でした。そこで印刷とビニールの被膜だけを薄く剥がし、粘着テープのないフィルム状のものにし防水加工を施しました。そして爪の上にアクリルで丸く平らな土台を作り、そのステッカーを乗せ、さらにジェルで挟み込みました。次にステッカーのデザインが目立つように、アクリルの周りをワイヤーでぐるりと囲み、ブローチのようアートにまとめたのです。アクリルで作った平らな土台がシールを安定して置くことが出来、切り抜いたステッカーを違和感なく使えブローチの形状にすることで耐久性も叶いました。オリジナルパーツとしてオンリーワンなアートを喜んで貰え、ブローチの中を様々なデザインにすることでバリエーションは無限!お客様のひとことから生まれたブローチネイルは瞬く間にサロンで人気を博し、リピートされる定番アートとなっていったのでした。



 



オリジナルデザインが出来たらSNS発信!ネイルパーツ商品化への道



その後改良を重ね完成度を上げたブローチネイル。SNSにUPしているとブローチネイルを見た全国のネイリストから商品化を希望する声が上がり、支援してくれた方々のおかげで商品化に至りました。枠だけのシンプルなパーツは使い手によって様々な形に変化させられる。ブローチの中にどんなデザインを入れようかとお客様と一緒に考えながら直接爪の上で作ったり、サロンのオリジナルパーツとして予め作って置いたりと使い方も自由自在。お客様へはワクワク感と特別感を提供できます。大切なのはお客様に楽しんで喜んで貰うこと。私が1番大切にしていることで、それがなにより自分自身の仕事のやりがい。そんな想いの中で生まれたブローチネイル。是非オンリーワンなネイルを♪

田辺さおり(BLC nail salon)





 記事に関連するキーワード


この記事を書いた人