毛髪科学(ケミカル)のプロが説く クリープパーマと湿度の関係

軟毛、硬毛、それぞれの注意点

1:太い毛髪はマトリックス部の堆積量が大きいので、水蒸気熱の熱伝導により水膨潤しダイナミックに新水性部を動かし(ズレ合う)安定した位置に納まる。注意:疎水部は軟化が弱く、引きずられて曲がります。
2:細い毛質の場合はマトリックス部の堆積量が小さいので還元の行き過ぎに注意してさらに親水性部のクリープ力は還元・水分保持、並びに水洗・蒸気による膨潤が少なくダイナミックに動く幅が狭くなります。この場合、クリープ力が弱くなるので、次の工程で水分を抜く乾燥を行い乾燥加熱により分子間をより狭め、二液酸化工程に移る。内部ケラチンの夕着方向に結晶構造変化を起こすロッドから直接熱によりウェーブ効率を高める方法もあります。

髪の湿度に関係する強度

1:飽和水蒸気量の関係でさらに温度を上げる場合、高いほど髪は水分を保ち髪の強度がおちて可塑性が高まります。
2:相対湿度80%から100%に近い還元終了後の2~3分の水洗ならびに、スチームクリープ・濡れタオルにより包みこみ遠赤外線加熱器を使用して飽和水蒸気量をさらに上げることができます。

適切なスチームクリープの必要性

1:細い毛質はマトリックス部の体積が小さいので、水蒸気熱の熱伝導によりダイナミックに親水性部を動かすこと(ズレ合う)が少ないためにカール形成力が弱いため、極端に軟毛の場合は一般的にかかりが悪く、疏水部まで間違って還元させてしまいます。
2:細い毛質の場合はマトリックス部の堆積量が小さいので過剰還元に注意して還元の見極めが難しいために分子間の脂質が欠損することが多く、その後の熱処理の工程の前にCMCなどの脂質体を補いデパシーのような直接熱で乾燥方向でカール形成率をアップさせます。
田中雅巳MAGO(Hair & Make COLLECTION)