美容専門学校の選び方
美容師と言う職業は「離職率」が高いことで悪名が高くなってしまいました。美容学校まで出て勉強してきたはずなのに、なぜ途中で投げ出す人が多いのでしょうか。美容学校の多数乱立により、いまや日本中の美容学校が大幅に定員割れを起こしています。どこも潰れないように存続をかけ、必死になって生徒をかき集めているのです。当然、入学試験を受ければ必ず誰でも合格します。結果としてほかに進路が見つからなかった人や、やる気の足りない人たちが多数入学します。本気で美容師を目指す人は、こういった人たちの負のパワーに惑わされてはいけません。さて美容専門学校の選び方ですが、これは単純に「厳しそうなところ」「規律のうるさそうなところ」を選べば良いのです。なぜなのか、「楽しいですよ」「ラクチンですよ」と謳っている学校ほど、素行の悪い生徒が集まります。学校も辞められてしまうと収入が減るので生徒の機嫌をとって辞めさせない努力をしています。しかし、やる気のある学生とって、不良の同級生ほど大きなストレスは無いでしょう。「美容学校の厳しい」なんてたかだか知れていますから、一番厳しいところをそのまま選べばそれで正解です。
職場選びで運命が決まる
美容師と言えば「厳しい上下関係」やら、「夜中まで練習」というイメージがあります。人間関係については、お店によってかなり差があります。隣同士のサロンなのに、まるで違う国と言うほどの差があります。意味のない厳しさは体力を疲弊させるだけですから、就職先の見極めが重要です。ただ、レッスンに関しては技術の可否が明暗を分けてしまう「実力の世界」ですから練習は当然に必要です。内容のない練習を繰り返して時間だけを浪費しないよう要領よく上達するためには「レッスンの充実した職場」を選ぶのが最も効率よいと言えます。就職見学のときに、その美容室で働いているスタイリストのうち、何割が「新卒で就職した生え抜き」で何割が「中途採用者」なのかを質問すると良いでしょう。生え抜きがほとんどのサロンほど、教育が行き届き、人間関係も良いはずです。「ほぼ全員中途採用者」などというサロンに新卒で入学すると、人材を育てる土壌が欠落しているため上達は難しいでしょう。給料や休暇だけで選ぶと失敗します。休暇も給料も普通の水準で我慢し、技術の習得などそれ以外の内容で選んだほうが絶対に成功への近道です。
独立するか、幹部になるか。
「将来の夢は自分のお店を持つことです」よく聞く台詞です。でも大切なのは「独立した後」なのです。独立は「厳しくて逃げられない現実のスタート」です。お客様が少ないのも、スタッフがカットに失敗しても、お金が足りないのも全てオーナーの責任です。独立するためには、最低限「美容師としての実力」「集客のアイディア」「他店と差をつける個性」が必要です。中には「独立はしんどいから、雇われの身で気楽に食べていければ」と考える人もいますが、大ベテランになったときにお店の運営力のひとつもなければ、いずれ組織のお荷物になります。独立する気がなくても、独立する人と同じだけの能力を身につけなければ業界内に居場所がなくなってしまいます。
まとめ
美容師と言う職業は「人を彩り」「人に美容と幸福をもたらす」非常にやりがいのある職業です。決して簡単に身につかないセンスと技術が必要ですが、だからこそやりがいがあるのです。たとえば、1ヶ月練習しただけで技術が身につく職業があったとします。なるのは簡単ですから、次から次へと競争相手が現れ、常に過当競争の中に身をおく羽目になり明るい将来は見えてきません。「単に髪を切れるだけ」になるのは普通に根気があればできますが、「非常に上手な人気美容師」になるためには相当な努力が必要です。努力のハードルが高ければ高いほど、超えてしまったあとの競争は激しくなくなります。美容師も見習いはたくさんいます。スタイリストになるまでがんばる人でさえ一部ですが、人気美容師になれるまで努力を続けることができる人も一部です。その一部に入ってこそ、この美容業の楽しさを享受することができるのです。もともと、東大や京大に合格しそうな努力を経験した人なんて一人もいない世界です。あなたが継続した努力ができる人間なのであれば、まず脱落することはないでしょう。僕がこの職業を30年以上続けてこられた理由をひとつだけ挙げるとすれば、「努力なんていくらでもできる」、という自信があったからです。最初は大変でも、長く続けるほど「やっていて良かった」と思える職業ですが、あくまでその前提に「努力」は非常に大切であると言うことです。
やすい秀治(B2C)
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