ネイルアートの”ファション”と”ビューティー”の融合

男性ネイリストの考える”ビューティー”という視点から見たネイル

ネイルと聞けばほとんどの方は”爪に色を塗る”ことを想像するでしょう。”ファッション”という視点から見れば間違った認識ではありません。しかし”ビューティー”という視点から見れば、それだけでは不十分ということです。我々男性視点から客観的に見れば、女性には美しくあって欲しいという願望からデザインのベースである”爪”の美しさに目を向けます。女性がエステやフェイシャルに通うのは、メイクやファッションなどで表面的に装飾するだけでなくベースとなる顔、体の美しさを追求するためです。ネイルに関しての現在の認識はほぼ表面的な”ファッション”の部分のみで、女性の爪本来の美しさを引き出すという”ビューティー”の部分は、一般ユーザーにほとんど広まっていないのが現状です。これが昨今のネイルマーケットの事業拡大の足踏みと分析します。

”爪にデザインをする”ではなく”爪をデザインする-自爪の形は変えられる“

爪にコンプレックスを抱えている女性は非常に多いです。「噛み爪」「平らな爪」「幅の広い爪」など、内容は様々。「ネイル=色を塗る」という”ファッション”認識であれば、爪にコンプレックスを抱える女性は「私は爪が綺麗じゃないから・・・」と断念してしまう方も多いはずです。しかし「ネイル=爪を美しく育てる」であればどうでしょうか?
上の写真をご覧ください。右手には何も施術せず、左手にだけ半年間ジェルネイルを施術し続けるという検証結果の写真です。爪のピンクの部分は明らかに大きく成長し・・・爪の幅もスリムに変化していることがお分かりいただけると思います。爪の形は「生まれ持った物」だと思っている方がほとんどだと思いますが、実は、ジェルネイルで保護しつつ、”あるポイント”をしっかり抑えることで確実に成長・変化させることが可能です。成長速度に多少の個人差はありますが、早い方だとジェルを始めた翌月、翌々月あたりから変化を実感し、ジェルを除去した時の自分の爪の美しさに驚きます。この”ビューティー”の認識が世の女性にもっと広まれば、今までネイルを断念していた、もしくは興味がなかったという方にもチャレンジするきっかけとなり、さらには魅力があるにも関わらず一部の人にしか普及していなかった「ネイル」というマーケットに無限の可能性を見いだすことが出来るようになります。
”ファッション”と”ビューティー”この2つの「融合」が今後のビッグキーワードであり、この魅力ある業界の更なる飛躍に繋がると強く感じています。

“ファッション”×”ビューティー”で作品は完結する

コンプレックスを抱えながらも勇気を出してご来店いただいたお客様に、私は必ずこう伝えます。
「4ヶ月ください、必ず美しい爪にしてみせます」もちろん初回からお客様の好みのデザインは施術しますが、この段階では”ファッション”の部分しか提供出来ていません。数ヶ月後、美しいベースが完成した時にはじめて”ビューティー”の要素が加わり”ファッション×ビューティー”という、我々ネイルアーティストが提供すべき最も理想的なモデルに到達します。”ビューティー”の要素が加わったことで女性はより美しく、我々ネイルアーティストのデザインはより輝きを増す。この相乗効果は今後のネイル業界の大きな力になります。こういった視点は少し男性的かもしれませんが女性が多いネイル業界において男性ならではの視点、考え方をこういった場で共有することがネイルというまだまだ可能性のある業界の、更なる発展に繋がると信じています。
大塚翔太(3D Attacker)