ディープなバリライフから生まれたネイルアート
14年ほど前、アパレル会社を退職した私は、バリ島と日本を行ったり来たりしていました。
初めてバリ島に魅せられたのは14歳のとき。家族旅行で訪れたこの島に「私は、ここに帰ってくる。」と感じました。
そして退職を機に、私はまさにバリ島に帰りました。ヘタくそなインドネシア語と笑顔を駆使して、3ヶ月ほどディープなバリに浸ったのです。
旅行も確かにいいのです。けれど島の生活の一部に足先を突っ込んで、初めて見えてくる世界は格別です。
土地のものを食べ、現地の友人達と笑ったり泣いたり、バリの正装を着て寺院に行ったり、深夜の祭りチャロナランに参加したり、絵を描いたり。
この時間は私のネイルアートも含めた、芸術活動に欠かせない貴重な体験を残してくれました。
今回はその体験を絵日記ならぬ、オリエンタルでエキゾチックなネイルアートで表現してみようと思います。
バリで触れたモチーフをネイルに表現!
【画像1点目】
「TRANCE ON THE FIRE」トランス・オン・ザ・ファイア。
バリには火渡りダンスのサンヒャンジャラン、初潮前の女児が火の前で踊るサンヒャンドゥダリなどのトランスダンスがあります。恐ろしくも美しい火の威力と、催眠状態のときに見えてきた、たくさんの目をモチーフにしました。
【画像2点目】
「UNDER THE MOON WITH THE FIRE FLIES」アンダー・ザ・ムーン・ウィズ・ザ・ファイアフライズ。
ウブドの満月の下。真っ暗な田んぼ道で静かに蛍を待った瞬間。私の手の中で力強く光った、蛍。幻想的でロマンチックなことと言ったら…!
【画像3点目】
「SPICY NIGHT FLOWERS」スパイシー・ナイト・フラワーズ。
豊かな土と雨に愛されて、ゴージャスに咲く楽園の花。手ごわいスパイシーな女のイメージでもあります。
生の経験から刺激を受けて、指先からこぼれ落ちるアート
自分で手に入れた時間と場所は格別です。他の誰も真似できない、唯一無二の経験こそアートです。
アートを生み出す力を得るには、本物の感動に触れ続けるしかありません。感動は待ちきれずに指から溢れ出します。
昔からそうです。嬉しいことも、悪いことも、切ないことも、愛おしいことも。私はいつも指先が叫びそうになる感覚を味わってきました。
今回の作品もするすると指先から生まれ出ていきました。生の経験が私を支配しているので、アートを作るときに、迷うこともなかったのです。
こんな感覚を与えてくれるバリ島を、私は心から愛しています。
田邉薫(ネイルサロンミニカ・スルガ)