「サロン」名の由来と意味から見えてきたマネージメントのヒント
フランス語、英語、どちらにも存在する言葉、salon。元々は応接室、談話室を指すものです。フランスでは社交界や展覧会の意味もあります。詳しく言えば、サロンの主人が文化や芸術に秀でた者を呼び、客人達と知的な会話を楽しむ場所、となるでしょう。難しい?笑。
ではネイルサロンとはどんな場所でしょう?ネイルサービスを提供する場なのは言うまでもありません。ケア、ジェル、アクリリック、指先を美しくする数々のテクニック。ただ本来の意味を知った以上、その提供だけではサロンとは言えない気がするのです。そんな気持ちから、私は「ネイル技術がいいのは当たり前。ネイルを通したパーソナルな時間に。」をキャッチワードに接客をしています。
顧客との豊かな会話はパーソナルな時間が生まれ信頼につながる
清潔なサロンでの、美しいネイル作りはスタートライン。千差万別のお客様に合わせてカメレオンのように、変身できるネイリストこそ素敵ではありませんか?その豊かな会話力は人を釘付けにします。ヒントは、ライブ、美術館、舞台など生のものに宿っています。自分から取りに行きましょう。TV や、ネットの噂話では薄っぺらです。そして目の前のお客様の話を、次回覚えていること、聞く力も重要。ネイルの状態確認だけでなく、さりげなく「今回のハワイ旅行はいかがでしたか?」などと聞けることが基本です。「覚えられていること」を不快に思う人間はいないでしょう?パーソナルな時間が増えれば、その方のネイルの好みもしっかりわかってくるものです。
オーナーネイリストが実践!自由な会話と美しいネイルでお迎えを
「気持ちが落ち込んだ時、最初に行きたいと思えたのがこのサロンだった。」「不倫と恋の境目って何かしらね?」「今回のアメリカンバレエシアターの舞台、最高だった!」「彼氏とうまくいかないの。」「孫が大学に合格したわよ。」これは私のサロンで実際に飛び交う会話の一部です。完全個室のお席は色んな秘密でいっぱい!お客様は時には高尚な話を、ラフなバカ話を、乙女な恋バナをしたいもの。家族でも友達でもないからこそ、置いていける会話があるのです。そしてネイリストはいつも「聞き上手の物知りカメレオン」でいるのが丁度いい。
美しいネイルを手に入れられて自由な会話を置いていける場所、それが私の考えるネイルサロンです。
田邉薫(ネイルサロンミニカ・スルガ)
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